池坊のいけばなを始めてから……
ちょっと忘れてしまいましたが…8〜10年くらい経ちます。
のろのろと続けてきたものの、集中的に勉強できる機会にも恵まれ、数年前、池坊華道教授として活動する許可もいただきました。
池坊のいけばなは550年もの歴史がありますので、語りつくせない奥深さです。
私がお稽古させていただいているお教室に通われている生徒さんたちの中には、先生をしながらお稽古を続ける方が多くいいらっしゃいます。
みなさん何年も、どころか、何十年もお稽古を続けられ、本当に日々勉強を重ねていらっしゃいます。
継続は力なり。
これはいけばなに関しても、もちろん本当だとおもいます。
続けていれば、美しさを見つける目が養われていきますし、より美しいお花を生けられるようになることはもちろん自信になりますが、
やめなかったこと。
これが一番の自信になる気がします。
お休みの半日以上を費やしてお稽古に行くことが嫌な日も、
なんだか気分的に行きたくないなぁという日も、雨の日も台風の日も雪の日も。
色々な事情で、お稽古をしばらくお休みしようかと思い、先生に相談するようななこともありました。
先生の前で。先生のお手紙で。先生とのお電話で。
先生の熱意と愛情に触れ、何度も泣いてきた私……。
私がいけばなを続けて来られたのは、
先生が、私にたくさんの愛を示してくださったこと。 助けてくださり、熱意を持って、いつの日も、どんな時でも、真っ直ぐに励ましてくださったこと。
そして、植物の命の姿に心から感動する心が私のなかにあり、それをとても大切に思うので、そういったことに直に向き合える時間は、いけばなのお稽古の時間だから、です。
木の枝ぶりや、新しい枝、つぼみ、紅葉する葉、ひらきかけのお花、咲き誇り、散り、実をつける枝。枯れた葉。次の世代へ譲る葉。
どの段階も、今のその生命そのものの姿が美しいとするいけばなの世界は、人生と重ねることができます。
……と長くなってしまいましたが、
そんな風に続けてきている今日のお稽古のお花は…☆
🌸木瓜
🌸アイリス
🌸オクラレルカ
三種類のお花の生け花でした。
木瓜の枝ぶり。赤い花びらの質感。
アイリスのお花の複雑さと葉のシンプルさ。
花びらの、青紫と白と黄色のコントラスト。
オクラレルカの瑞々しい緑と、すっきりとした線の伸びやかさ。
どこをとっても美しいです。
きょうの掛け軸は…
「青松多寿色」
松は一年中青々としていて、色を変えない。
それは他の植物とはちがうところ。
松はとくべつ。
変わらないことは、良いことですね。
そんなような意味だそうです。
建仁寺の益州さんという方の作品。
米寿のときに描かれたものだそうです。
変わらないのは、良いこと。
変わっていくのも、良いこと。
変わらない大切なものを抱きしめながら、
変わっていけたら素敵だなぁ✨と思います。
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